Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
米友はまるい目を烈しく廻転させますと、木戸番も、宿の男も、いよいよ恐縮して、
「まことにはや、飛んだ御災難で……先生が、お留め申すのもお聞入れないもんだから、つい悪い奴につかまってしまいなすって……」
「ナニ、おいらの先生が悪い奴につかまったって……? 冗談じゃねえ、その悪い奴というのは何者だい、胡麻の蠅か、泥棒か、それとも街道荒しの浪人者か。それがどうしたい、悪い奴につかまった? おいらの先生が、それからどうしたんだい?」
「ただいま、ひどい目にあっておいでなさいます……」
「何……? ただいまひどい目にあっておいでなさいますだって? ばかにしてやがら、ひどい目にあっておいでなさいますなら、ナゼ助けておやり申さねえのだ」
「それがどうも……」
米友は、木戸番と、男衆を突き倒して、疾風の如く軽井沢の町へ駈け込みました。
「やい、やい、軽井沢にゃあ、宿役も、問屋も無えのかい、人がヒドイ目にあっているのを、助けるという奴がいねえのかい。冗談じゃねえ、おいらの先生をヒドイ目にあわせようという奴は、どこにいるんだ、やい」
米友がこう叫んで歯がみをしながら、軽井沢の町の真中を走せ通りました。