Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
またいけない! とその声を聞いた町の者が、再び顫え上りました。あのお医者さんの連れというのが来たな、いいところへといいたいが、ほんとうに悪いところへ来た。一人でたくさんなのに、また一人ヒドイ目に逢いたがって来た。裸の松の怖るべきことを知らないで、相手になりたがって来た。いったい、気が利かないじゃないか。桝形の茶屋の番人は何をしている。あそこで食いとめて、こちらへ入れないようにしたらよかりそうなものじゃないか。
入って来た以上は、仕方がない――
その時です。歯がみをして、軽井沢の町へ怒鳴り込んだ宇治山田の米友は、ふと足もとにころがる一つの提灯を見て、まず穏かでないと思いました。
その提灯は梅鉢の紋、それがいわゆる菅公以来の加賀様の紋であって、その下に「御用」の二字。
ああ、なるほど、わが道庵先生は、この加賀様なるものの手先にとっつかまって、難題を起しているのだなと、早くも感づきました。相手が百万石の加賀守では、駅の者も手出しができないで、その亡状に任せているのだなと米友が気取ると、またも歯をギリギリとかみ鳴らしました。
こういう場合の米友には、義憤と、反抗とがわいて、相手が強ければ強いほど、ふるい立つのを例とする。