Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
質問を受けた茶屋の小娘は、よく呑込めないで、一時は挨拶に困ったけれど、
「御神門でござんすか。御神門ならば、南の方が海蔵門と申しまして、東が春敲門……」
これが、またお角さんには呑込めませんでした。
呑込めないながら、呑込み顔に聞いてみねばならぬ仕儀は小娘と同じことで、おたがいに要点を逸して、それで要領を得たようなつもりでいるところへ、ドカドカと熱田の宮の鳥居前から下乗橋が、たちまち人でいっぱいになりました。
それは相撲取です。大相撲、中相撲、取的、呼出しの類が、見るまに鳥居前にいっぱいに群がって来ました。
それに前後して、年寄、行司といったようなかおぶれが周旋している。
「ははあ、これはあの、遠州見附の相撲のくずれなんだろう」
とお角さんは、早くもその方へ気を取られて、御信心の説明を聞くことは空になっていると、これらの相撲連は、やがてこの茶屋に流れ込んで来たものですから、茶屋の中は相撲取の洪水で、せっかくの小娘も、信心の説明を中止して、その取持ちに走りました。
かなり広い茶屋は、相撲取でいっぱいになってしまいました。
さりとて、ここに待合わせているはずのお角さんは、今ここを立つわけにはゆきません。