Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
「デハ――もゆるサン……」
マドロスが無恰好の背中を向けると、毛布を頭からすっぽりかぶったままの兵部の娘を、短身長剣が押しつけるようにして、マドロスの背中にたけると、やむことなく、それをおぶい、それにおぶさって、二人はまずバッテイラから本船に乗り移る。出でむかえて見ている水夫共は、苦々しい面をして睨みつけているが、さすがに、それをぶちのめす者もない。お松だけがかいがいしく、
「マドロスさん、あなたにも全く困りものです、みんながドノくらい心配したか知れやしません、まあ、ともかく、わたしの船室へいらっしゃい、委細をお話ししてから、船長様へ、わたしがお詫びをしてあげます」
百四十四
最後にバッテイラから、本船に上った短身長剣――柳田平治は、
「では、君たち、あの小舟の始末を頼むよ」
と言い捨てて、続いて船室へと導かれて行こうとすると、そこへ、いつのまにか檣の上から下りて来た清澄の茂太郎が立ち塞がって、
「君――田山先生は帰らないの」
「あ、田山先生はな……」
と柳田平治は、この少年のために甲板の上に暫く抑留の形となって、
「あとから帰るよ」
「では、七兵衛おやじは――」