Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

おっちょこちょいの倅に、おっちょこちょいが生れるということは有り得ることで、王侯将相豈種あらんやというは、それは歴史上を均して、幾千億万分の一の特例であって、標準とすべくもありません。百姓の子は百姓になり、大工の子は大工になり、町人の子は町人になることに、わけて階級制度のやかましい日本の国では、滔々たる世間並みのおきてになっているが、跛足の子が跛足であり得ること、兄が跛足なるが故に、弟も跛足という常識はありません。

腕の喜三郎親分(前の政友会総裁鈴木喜三郎氏のことではない)は、兄貴が喧嘩で片腕を失ったから、おれも両腕があっては面白くねえと言って、自分で自分の片腕を切り落して、兄貴と同格になったという特例はあるが、あれは遊侠のする気負いです。これは運命の悪戯! と、さすがの両女傑が、案内の小坊主を見て一時、立ちすくんだのも無理はありません。

六

だが、お角さんとても、驚くべきものは驚きもするけれども、驚いてそうして、度を失うお角さんではありません。直ちに平常心を取戻して、案内役の小坊主を、ちょっと杉戸の蔭に小手招きして、耳うちをしました、