Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
「兄さん、御苦労さま、あのね、わたしのお連れのあのお方はね、少しわけがあって、お怪我をしていらっしゃるんだから、あの通りかぶり物を取りません、ね、それを承知してね」
と言って、その途端に、ふところ紙でおひねりを一つこしらえて、この小坊主に持たせようとしました。
これは、お角さんとしては常識の手法の一つで、悪い意味ではない一つの軽少なる賄賂、あるいは最も好意ある鼻薬! むしろ儀礼の一つであって、お角さんの社会で普通に行われるのみならず、世界的に公認の闇取引――ではない、計算書にまで公然と記入して来られる、記入して来られた方が来られないよりも、むしろ気持のよい世界的の社交関税、通称を「チップ」と呼ばれるところのものの労力に対する報酬、ある場合には敬意を含めたところの意志表示なのでありましたが、この小坊主は、前のかぶり物御免に対しては相当の黙認を与えたけれども、後者の関税闇取引に対しては、断然それを拒絶して、お角親方の好意を無にしてしまいました。つまり、同行の女性が特殊の事情によって、面に覆面を施しながら間毎を通過するという特権を黙認したのは、これは一種の同情心がさせるわざなのでありました。