Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
それを言うと、土地の人が、
「では、近いうち、その日本一の酒というのを飲ませて進ぜましょう」
「そいつは耳よりだぜ、いったい、池田、伊丹なんぞと、大ざっぱに名乗りは聞くが、さあ、どれが日本一だと聞かれたら上方でも困るだろう、道庵も人に聞かれて、その点、常にいささかテレている、今度という今度は、ひとつ、京大阪の酒という酒を飲み抜いて、道庵先生御推賞、日本一という極をつけて帰りてえものだ」
「いや、それは先生を煩わすことなく、もう出来ておりますよ、日本一の酒という極めつきは……」
「おやおや、道庵の承認なしに酒の日本一をきめるなんて、不届な話だ、万一、道庵が不服を唱えたら、どうするつもりだろう、一番そいつの再検討をしてみてえ、その日本一の極めつきの酒というのは、いったい、なんという酒で、ドコから出ますねえ」
「これより少々南の方、河内の国の天野酒、これが日本一という定評になっております」
「うむ――河内の国の天野酒、聞いたことのある名だ、これはひとつ、道庵が再吟味をする必要がある」
と言って、その翌日、飄々として出かけて帰らないところを見ると、河内の国までのしたのかも知れません。