Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

と言いました。道庵が多少ともに物を賞めるということは、極めて少ない中のこれもその一つでございました。

そうしているうちにも、お雪ちゃんの容体を見てやる親切は変りません。脈をとることになると忠実なもので、商売柄、健斎老を啓発することも少なくはありません。それから、健斎老が道庵に感心していることの一つは、そのふざけた中に、まじめな研究心が少しも衰えていないということです。見るもの、聞くもの、みんな箸をつけずには置かない、箸をつければ、みんな食ってしまわなければ置かない、という知識の貪食ぶりには、遠近四方、敬服せざるを得ませんでした。

しかし、うっかり敬服ばかりしていると、その次があぶない。一夕、道庵の声名を聞いて、京から名酒を取寄せて贈り越したものがあって、

「この地は、お茶にかけては日本一ですが、お酒の方はそうはゆきませんが、ここらあたりは少し飲めるかも知れません」

道庵がその尾について、

「なるほど、お茶は、この界隈が宇治茶の本場だが、酒もどうして、なかなかばかにできねえ、いったい、上方は酒がよろしい、日本一のお茶も結構だが、日本一の酒は飲みてえな」