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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

この女房が、物臭太郎を七日の間、湯につけて、二人の侍女に磨かせると、真黒な物臭太郎が、玉のように光り出す。

これに直垂を着せ、衣紋をただし、袴をはかせて見ると、いかなる殿上人もおよび難き姿となって、「おとこ美男」の名を取る。

それに、歌を詠ませると、なかなかの名歌をよむ。

物臭太郎では勿体ない――新たに歌左衛門という名を、豊前守がつけてくれる。

帝の御前に歌をよみ、御感にあずかり、汝が先祖を申せとある時、はじめて国許を仔細に探ると、人皇五十三代のみかど、仁明天皇の第二の皇子、深草の天皇の御子、二位の中将と申す人、信濃へ流されて……という系図が現われて、信濃の中将になり、甲斐、信濃の両国を賜わり、この女房を具して任国へ下り、一門広大、子孫繁昌というめでたさ。

この物臭太郎がすなわち穂高の明神となり、女房が朝日権現とあらわれる――これは文徳天皇の御時なりし……とある物臭太郎一代記を神主の口から、かいつまんで聞かされてしまった宇津木兵馬。

すすめられた渋茶に咽喉をうるおして、いざとばかり、再び立ち出でた前路に日が高い。

物臭太郎一代記――思い出してもばかばかしさの限りだが、時にとっての何かの暗示。