Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「折角、呼び集めて、何かやらなくちゃかわいそうだわ」
しかし、ここには何も彼等に与うべきものがない。
「峰島の爺さんが言うには、千鳥は、あれで三十幾通りかあるんだって。その三十幾通りあるのが、みんな啼く音が違っていると言いますが、あたしには、そのうちの半分しか吹けやしない。習えば吹けるでしょうけれど、習おうとは思わないの。峰島の爺さんは、その三十幾通りをみんな吹きわけるには吹きわけるけれど、あれは罪なのよ」
「罪とは?」
「だって、あの爺さんは、千鳥の笛を吹いて、千鳥を呼び寄せて、それをみんな網でとってしまうんですからね」
「そんなに千鳥をつかまえて、どうするの」
「食べてしまうんでしょう、自分で食べるだけじゃなく、売りに出すのでしょう」
「千鳥の肉なんて、食べられるか知ら」
「食べられますとも。爺さんの話では、田鴫よりは少し味が劣るけれど、あの鳥は丈夫な鳥だから、それにあやかりたいために、あれを食べると丈夫になるって、千鳥を食べるんですとさ」
「そうか知ら。千鳥の肉を食べると丈夫になるなんて、はじめて聞いた」
「でも、鳩や、雉なんぞは、土用中、おとりにして一時間も置くと死んでしまうけれど、千鳥だけは、土用中でも、寒のうちでも、何時間おいてもビクともしないそうです――しかし、わたしたちはこの鳥を呼び集めたって、それを捕っ