Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

扁鵲もそう言っている、「越人よく起すべき者を知って之を起す」

しかし、無理であってもなくても、火の玉のようになって飛び出した米友を、如何ともすることはできません。

坂をかけ上ると、そこで、土地の人のふるえながら語るのを聞きました。

「尾州様の、お山係りの殿様が水にはまっておしまいになった、医者を、医者を、とおっしゃるけれども、尾州様の御家中の脈をお見せ申すような医者が、この宿にはござらねえ、山竹老へ持ち込んだら、おぞけを振って、もしやお見立て違いをしては首が危ねえといって、逃げてしまった、藁火をたけとおっしゃるが、ここは山里で藁というものがござりましねえから、今、畳をむしりこわしているところでございますよ」

それを小耳にはさんだ米友が、ははあそれでは、木曾は尾張の御領分だと聞いたから、尾州家のお山めぐりの役人が出向いて来て、そうしてこの災難だなとさとりました。

だが、尾州家の役人なるがゆえに、尻ごみをして出ないという、この土地の医者のぞろっぺいを憐れむにつけ、わが道庵先生――米友の眼と、心とを以てすれば、天下に一つあって、二つはない名医の道庵先生ともあるべきものを、現に自分が同行の光栄を有し、自分が頼みさえすれば、いや、頼まなくともこういう際には、十二分に出しゃばるべき先生を、ついした自分の粗忽から置き忘れ