Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
その祭壇に使用された祭具を見ると、八脚の新しい斎机もあり、経机の塗りの剥げたのもあり、御幣立が備えられてあるかと見れば、香炉がくすぶっている。田物、畑物を供えた器も、神仏混淆のチグハグなもので、あたり近所から、借り集めて人寄せに間に合わせるという気分が、豊かに漂うのであります。
それよりも大切なことは、祭壇があれば、祭主がなければならないことですが、御安心なさい、烏帽子直垂でいちいの笏を手に取り持った祭主殿が、最初から、あちら向きにひとり坐って神妙に控えてござる――さてまた祭主と祭壇の周囲には当然、それに介添、その世話人といったようなものもなければならぬ。それも心配するがものはない。
村方の古老、新老が都合五名、いずれも平和なほほえみを漂わして、祭主の周囲に、くすぐったそうに坐ってござる。のみならず、形ばかりの袈裟衣をつけた坊さんが一枚、特志を以てその介添に加わって、何かと世話をやいてござる。
さて、烏帽子直垂の祭主のみは、恭しく笏を構えて、祭壇に向って黙祷を凝らしているが、祭壇の彼方には、神も、仏も、その祠も、社もおわしまさない。ただ一むら、真竹の竹藪があるばかりだ。