Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
城松という盲人は、鳴滝の下で簫を吹くと、人ただ簫声あるを聞いて、瀑声あるを聞かなかったそうであります。
ある夜、忽然として立って人にいって曰くく、ああ、今夜は自分の吹く簫の声が尋常でない、おそらくはこの都下に大変が起ろうも知れぬ、と馳せて愛宕山に上って僧院に泊ったところが、その夜、洛中洛外に大震があって、圧死するもの無数、それは慶長年間のことであったという話。
間斎という伯楽は、年四十になって明を失したが、人の馬に乗って戸外を過ぐるものを聞いて、その蹄の音で馬の駑と駿と、大と小と、形と容と、毛の色とを判断して、少しも誤らなかったということであります。
深草の検校というのは、享保年間、京都に住んで三絃をよくした盲人であったが、老後におよんで人にいって曰く、「私の聞き得たところでは、天地の間には三百六十音がある」
今、弁信というおしゃべり坊主は、その異形なる法然頭の中で何の世界のことを考え、その見えざる眼で、どれだけの色彩を味わい、これのみは異常に発達した聴管のうちに、どれだけの音声を聞きわけるの官能を与えられているか知れませんが、この万籟死したるところの底において、ついに何物をか聞き出そうとして聞き出し得たものの如く、