Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「そうですか、お前さんはお松さんと仲がいいかい」
「そりゃ、お松さんは無ければならない人になっていますよ」
「もし、そのお松さんが、江戸へ出るとか、他国へ行くとかすれば、お前さんはどうしますね」
「その時は、わしも一緒に行きますね、お松さんがお嫁入りするようなことになれば、わしは下男としてでもあとをついて行きますが、あの人はお嫁入りなんぞはしないでしょうと思います」
「では、お松さんという子が、この土地にいつく限り、お前さんもこの土地を離れないのだね」
「ええ、その通りです」
「お松さんは、ほんとうにこの土地にいたがりますか、よそへ行きたがりませんか」
「どこへも行きたがりません、行きたがっても、もう、ちょっと動けないでしょう」
「どうして」
「あの人は、人様の子供を二人も自分の手で育てていますからね。そのほかに、近所の娘たちや子供を集めて、いろんなことを教えたり、諸方へ頼まれて行くものですから、今では、ちっとの隙もありません、よそへ出たくも出られないでしょう」
「それはまあ結構なことだ」
「でも、お松さんは、房州へ一度行きたい、行きたいと、口癖のように言っていますよ」