Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「房州へ?」

「え、え、ほかにも行きたいところはあるようですけれど、それはあきらめるが、房州へはぜひ一度行きたいものだが、行けないと言っていますよ」

「はてね」

「あの登様というののお父様が、房州に住んでいるとか言っていました、そのお父様に一度逢いたいと、こう言ってお松さんが、わしに相談をすることがありますけれど、お松さんひとり出向いて行くわけにもいかず、わしもお松さんを置いて出かけるわけにもいかず、困っていることもあります」

「なるほど――して、その登様という子は誰の子なんだね」

「登様というのはまだ赤ん坊でしてね、お松さんが預かって世話をしているのです、いい坊ちゃんですよ」

「ははあ、そのお父さんという人が、房州に住んでいるのかね、房州で何をしているのです」

「何をしていますかね」

「それには事情がありそうだ――ではね与八さん」

この時、七兵衛が膝を立てました。

「はい」

「わしは、お前さんとこのお松さんはよく知っているのだがね、わけがあって、御無沙汰をしている。明日の朝、わしがお松さんに会いに行くからってね、そう言って置いて下さい」

「はい、そう言いましょう、お前さんはどなたでしたかね」