Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「左様でございますか――おやおや、舟が横っ走りをはじめやがった」

舟のへさきが蘆荻の中へ首を突っこみそうになったから、若い船頭は、

「旦那、どうも御馳走さまでございました」

杯をおさめ、棹を取り上げて、舟を立て直しました。

舟は満々たる水の中を辷り行く。忽ち前後左右を真菰で囲まれたかと思うと、一路が開けて、一水が現われる。不意に真菰のうらが騒ぎ出したかと見ると、菅笠が浮き出している。笠ばかりで姿は見えないが、唄は真菰刈りの若い女の口から出る。そうかと思えば、唄は無くて盲目縞に赤い帯の水国の乙女が、ぬなわ舟に棹さして、こちらをながめているのにでくわす。

田山白雲は、興に乗じて画嚢をさぐり、矢立を取り出して写生図を作りはじめました。

そこで若い船頭も、興を催してか、或いは興を助けるつもりでか、潮来節をうたい出したのが、白雲の耳を喜ばせる。

その途端に、向うの真菰の中から、すうーっと辷り出して来た小舟の中に、例のめくら縞に赤い帯、青い襷で、檜笠をかぶった乙女が一人――乙女と言いたいが、もう二十四五の、かっぷくのいい、色つやの真紅な、愛嬌たっぷりなのがすれちがいざまに、若い船頭と面を見合わせ、にっこり笑いながら棹を外らして、若い船頭を突っつく。