Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「手白、汝ぁ困りもんのことをしてくれたなあ、いまにお父さんが帰って来らば、どんないによまアれる(叱られる)か知れんから、さアちゃっと山へ逃げろ」

と、急いで子猿を山へ逃がしてやった。

やがて与次郎が山から帰って来たので、女房が、

「今日は本当に申しわけァないことをしとう、手白の奴ン飛んだことをしでかいてしまって」

と言ってありのままを話すと、与次郎はカッと怒って、

「猿はドコへ行っとる、あいつをも生かいちゃアおけん」

と言う。女房が、

「猿ウは山へ逃がいとう」

と答えると、与次郎は、

「ほんじゃア直きに行って俺ンめっけて来る」

と言って、直ぐ山へ駈け登り、方々を探したが、なんぼめっけても手白がいはしんので、仕方なく家に帰り、

「まず、おしゅんのおトブラいでもしず」

と言って、見ると、そこに寝かして置いたはずのおしゅんの死骸がない。

「はて、変なこともあればあるもんだ」

と、そこいら中を探してみたが、どこにもめっかさらん。

さすがの与次郎も、これにはびっくりして、やがて、じっとうつむいて、

「俺ン、今まで、鳥獣の命を、あんまり取ったその罰が、今日という今日は報いて来て、おしゅんの死骸まで無くンなっとうに違いない、俺アハイ、今日限り殺生は止めにしる」