Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

そう言って与次郎は、鉄砲をへし折って近所の不動様へ納め、さて言うことに、

「俺アこれから六部になって、今までに命を取った鳥けだものや、おしゅんの後生をとぶらいながら、日本国中を経めぐって来る」

そう言うと与次郎は、直ぐに六部の装束をし、笈物をしょって、鉦をチャンチャン叩きながら、その日のうちにぶんだい(出参)た。

さて、村の周囲に聳える山々のうち、どれか一つ越えねばならぬが、それならば第一に親猿をうちとめた山へ登り、まずそのあとをとむらって行こうと、あの清水の湧く山さして登って行った。

すると、あれほど勝手知ったる山でありながら、今日に限ってどう踏み迷ったか、行っても行っても清水のところへ出ないばかりか、ますます奥深く迷い込む様子なので、与次郎は困りきって道端の石に腰を下ろし、

「二十年も歩き慣れたこの山で、道に迷うなんて全くどうかしている、とにかく、少し気を落着けてみず」

と、じっと眼をつぶった。するとどこからともなく、かすかに猿の啼き声が聞えて来る。耳を澄ますと、だんだんこちらへ近づいて来た様子なので、与次郎が驚いて眼をあけて見ると、向うから何十匹とも知れぬ猿が枝に伝わってやって来たが、それが皆、与次郎の前へ坐って一礼した。