Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
「まあ、いいよ」
「でも、なんだか、わたし怖いわ」
「ナニ、怖いものか――」
林の蔭から姿を現わしたのは、お銀様と見られた人の姿ばかりではありません――そのあとに一頭の駄馬を曳いた馬子と、馬子に附添って、手代風なのが一人、つまり、この二人一頭が、恐る恐るお銀様のあとを二丈ばかり間隔を置いてついて来る。お銀様は先に立って、儼然として、例の覆面姿で歩みを運びながら、ゆらりゆらりとこちらへ向いて練って来るのです。一筋道ですから、それは当然、この米友があらくを切っている現場のところへ通りかかるに相違ありません。
お雪ちゃんは隠れるともなしに、姿を後ろの林に隠してしまいました。
米友は再び鍬をとって、黙々として木の根起しにとりかかります。
人家のない胆吹尾根の原ですから、近いようでも遠く、姿ははっきり認めてからでも、あの通り、ゆらりゆらりと練って来るものですから、この場へ来かかるまではかなりの時間を要します。
お雪ちゃんがこの場を外したのは、特にお銀様という人に好意が持てないわけではなし、悪意を芽ぐませているというわけでもないのですが、なんとなく気が置けて、不意に当面に立つことをいやがったのでしょう。