Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

下を大手を振って歩けるようにして出て来ているのだから、その点は更に心配することはないのだ」

「ほんとに、こうも晴々しく旅立ちのできるのは、わたし、生れて初めてなのよ。今までした旅という旅は、みんな追われて逃げるような旅ばっかりでしたのに、きょうという今日はこうして明るい日に、晴れてあなたと――水入らず、なんだか恥かしいような、勿体ないような、安心したような、追われているような、変な気持――でも、わたし、こんな嬉しい旅は今までにした覚えがありません。これというのもみんな、あなたのお面、あなたがお役所向きをすっかりよくして下すったから……まあ、そんなに、いつまでも、あなた、そっけなく突立っていらっしゃらないでも宜しいじゃございませんか、ここへお坐りなさいましな」

「うむ」

「本当のことはねえ、宇津木さん、わたし、もうこの上は一寸も歩けないのよ」

「どうして」

「どうしてたって、あなた――少しは同情して頂戴な、足弱のわたしにばっかり重い物を持たせて……」

「君に別段、重たい物を持たせたつもりはないが……」

「ありますわよ、わたしも意地ですから、ここまで一生懸命に持って来ましたけれど、もう意地にも我慢にも持ちきれませんから、ここいらで、あなたに肩代りをしていただきたいと思います」