Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
「そらごらんなさい。向うの岩に大小二つの滝がかかっておりましょう、あの大きいのは姉川、小さいのが妹川の源になるのです」
と言われて見ると、なるほど、広大に開けた岩窟の中の往年の壁面に、大小二条の滝がかかっている。飛騨の平湯の大滝だの、白山白水の滝だのを、うつつに見聞きしたお雪ちゃんにとっては、その滝が、必ずしも珍しい滝だとは思いませんけれども、周囲の異様なる景色には打たれざるを得ないのです。
「胆吹の弥三郎よりも、もっと昔、この洞窟の中に山賊が棲んでいたのです、大江山を追われた酒呑童子の一族が、ここを巣にしていたのです。その時に、公家や民家から奪い取って来た美しい女たちを、山賊が競って弄びました。そうして、この滝壺で汚物を洗わせたということです。その山賊を征伐するために頼光父子が、渡辺の綱や金時を連れて、二万余騎で攻めかけて来たということですから、山賊の方も少々の数ではなかったんでしょう、ですから、このくらい大きな洞窟が無ければなりません。さあ、もう少し奥へ行ってみましょう」
もう少し奥へと言ってのぞき込んだお銀様のうしろ姿を、お雪ちゃんは怖ろしいと思いました。