Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「うむ」

「机竜之助は、無明の中に生きているのだ――ところで、仏頂寺弥助と、丸山勇仙は、何のために生きているのだ」

こう言って、仏頂寺弥助のカラカラと笑った声が、またもすさまじく、森閑たる小鳥峠の上にこだましました。

「松茸の土瓶蒸を食わんがために生きている、あッ、は、は、は」

と合わせた丸山勇仙の声も、決して朗かな声ではありませんでした。

十五

その後、かなり長いあいだ沈黙が続いたが――仏頂寺はそれでも酒をやめるのではなく、苦り切って一杯一杯と重ねている。

大いに浮れを発するつもりの丸山勇仙までが、いつのまにか引入れられて湿っぽくなる。強いて気を引立てようとするが、どうしても引立たないらしい。

「仏頂寺――」

「何だ」

「いやにしめっぽくなったな」

「そのくせ、天地はこの通り上天気だ」

「ところは長閑な小鳥峠の上で――」

「丸山、おりゃどうでも死にたくなってしまった」

「は、は、は」

この時、丸山勇仙が強いて笑い崩そうとしたが、いっそう重苦しい。

「死にたくなった」

「は、は、は、は」

死ぬのがいいとも言えず、悪いとも言えない、丸山勇仙は、ただ強いて重苦しく笑うだけであった。