Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
「風邪をひくよ、風邪を、変な真似をするなということよ」
「いいから、黙って最後まで見届けるんだ」
「な、なにをする!」
丸山勇仙が、非常に狼狽して仏頂寺の膝にとりついたのは、彼が第三次の事業として、畳紙をひろげて二つに折り、それから刀を取って膝の上に置き、やおら鞘を外してしまって、その程よきところを畳紙に持添えて構えたのが、どうしても切腹に取りかかるもののふの作法とよりほかは受取ることができないので、丸山勇仙が眼の色をかえて仏頂寺の膝にとりついた時に、仏頂寺は、
「何だ、丸山、貴様とめるつもりか、拙者が覚悟をきめて、尋常に死にくたばろうとするのを見て、いまさら貴様が留立てをしようとするのは奇怪だ、留めるなら留めるだけの意義と理由を以て留めろ」
仏頂寺弥助が傲然と叱咤するのを、丸山勇仙はテレきって、
「意義も理由もありゃしない、予告なしに眼前で腹を切ろうという奴を、友人の身として見ていられるか、いられないか。僕に向って留めだてをする意義と理由とを求める前に、仏頂寺――君はなぜ、今になってそう急に腹を切らなければならないのか、かえってその意義と理由を示せ」
「その意義と理由がわかるくらいなら、腹を切りゃせぬ、それがわからないから腹を切るのだ、貴様、留めるのなら留めるでいいが、これからさき仏頂寺弥助が、何故に生きていなけりゃ