Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「は、は、は、は」

「お前だって人の留立てを差しとめておきながら、おれの死ぬのをよせとは言えまい、おれだって影の形に添うが如く、これまで亡者うろつきにうろついて来て、お前を死なして、これからひとり旅ができるものか、できないものか、つもりにもわかりそうなものだ。そのつもりにもわかるべきことが今までわからなかった、死神めに攪乱されていたのだ」

「そう事がわかったら、おたがいに、生の自由と死の自由を尊重することだ」

「善は急げだ――話がきまったらぐずぐずしないがいい。ところで、仏頂寺、お前は剣を以て世に立って、剣で果てるのだから切腹が当然だが、僕の方はそうはいかない、剣道が本職ではなし、万一切り損なって、お前に最期の道を先立たれ、あとからのたうち廻って追いかけるなんぞは醜態千万だから、こういう時の用心に、僕は僕だけの死に方がちゃんとあらかじめ附いているのだ」

「そうか」

「僕は、かねてより今日あることを慮って、ここにこれ、舶来の硫酸という劇薬が一瓶仕込んである、これを、ちょっとあおると五臓六腑が焼け爛れて、完全に生命が解消される、腸を沁み込んで行く間はかなり苦しいそうだが、切腹とどちらか、その苦痛の程度の比較は知らないが、やり損いなしに死ぬることは請合いなのだ、そこで、君が腹へ刀を突き立てると同時に、こいつを僕が一滴ずつ