Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

口中へ垂らし込む」

と言って、荷物の中からグロテスクな小瓶を出して見せる。

「うーむ、面白いな、貴様もなかなか馬鹿でない」

「話がきまったら、心静かに――しかし、善は急げだ」

こう言って、丸山勇仙は毒薬を下に置き、仏頂寺と同じように、羽織を脱いで草原の上に敷きました。

十六

やがて、仏頂寺が刀を腹へ突き立てると同時に、丸山勇仙が小瓶を口にグッと仰ぎました。

「仏頂寺、痛いだろう」

「うむ――」

と言いながら仏頂寺は、その刀を引き廻し、

「丸山、薬は、薬は利いたか」

「まだ何ともない、痛みの至る程度から言えば、お前のとは比較になるまい、あ、それにしても胸が変だ、腹が痛い」

「しっかりしろ」

「仏頂寺、痛いだろう」

「そりゃ、痛い、腹も身のうちと言うからな」

「我慢しておれも……」

この時分に、丸山の腹に硫酸が浸漸をはじめたらしく、

「苦しい、思ったより苦しい!」

と叫びましたが、

「がんばれ!」

と仏頂寺が声をかけると、丸山は、

「ああ、この苦しみは別だ、まるで五臓六腑が焼け出したようだ、噴火山から熔岩が流れ出して村里をのたうち廻るように、腹の中を熱いものが引掻き廻す、仏頂寺、おまえのも楽じゃあるまいが……」