Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「わたしには、易はわかりません、易によって判断などは思いもよらないことで、本来、易というものは、人間の身の上判断をするように出来ている文字ではないのです」

とお銀様の言うことは、理に落ちているんだが、二人はそういう理解を聞きに来たものではないのです。

「お聞き下さいませ、わたくしたち二人の者の身の上と申しまするのは……」

ここで二人の身の上話を話し出されてはたまらない、というような気分にお銀様が促されまして、

「お身の上をお聞き申すには及びませぬ、現在のあなた方の立場と、本心の暗示とを承ればそれでよろしいのです」

お銀様にこう言われて、若い男女はたしなめられでもしたように感じたと見えて、

「恐れ入りました、現在のわたしたち二人は、死ぬよりほかに道のない二人でございます、ねえ、豊さん、そうではありませんか」

「あい、わたしは、お前を生かして上げたいけれども、こうなっては、お前の心にまかせるほかはありませぬ」

と女から言われて、男はかえって勇み立ち、

「嬉しい!」

それを女はまたさしとめて、

「まあ、待って下さい」

「いまさら待てとは」

「ねえ、真さん、死ぬと心がきまったら、心静かに落着いて、もう一ぺん考え直してみようではありませんか」