Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああ、お前は、わたしと一緒に死ぬと誓いを立てながら、その口の下から、もうあんなことを言う」

「いいえ、死ぬのは、いつでも死ねますから、死ぬ前に申し残したいことはないか、それをもう一ぺん、思い返して下さい」

「そういう心の隙間が、もうわたしは怨みです、申し残したいことがあれば、どうなるのですか、わたしはもう、この世に於ての未練は少しもありませぬ、片時も早く死出の旅路に出たい」

「それでも、もし、思い残したことが一つでもあっては、その冥路のさわりとやらになるではありませんか」

「もう知らない、もう頼まない、思い直せの、考え直せのと、ゆとりがあるほど、この世に未練があって、死出のあこがれがないのです、そんな水臭い人、もう頼みませぬ」

「聞きわけのない、真さん、たとえ一つでもわたしが姉、目上の言うことは聞かなければなりませぬ」

「いいえ、年がたった一つ上だとて、夫婦の固めをした上は、お前は女房で、夫はわたし、女房というものは、身も心も、みんな夫に任せなければなりませぬ、わしが死ぬというからには、お前も死んでくれるのはあたりまえ」

「真さん、お前と、わたしと、いつ夫婦の固めをしましたか」