Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

米友は猿のような口を尖らして火を吹く。お玉は上着を脱いでしまうと下着、その上着だけを米友が手早く取って干場へかける。

下着と襦袢とを一緒に脱いで、後向きにお玉の半月のような肩が顕れる。火を吹いていた米友が、

「それ、何か落っこった」

「調戯っちゃいけないよ」

「何か落ちたよ」

「そんなことを言うもんじゃありませんよ」

お玉は赤くなって、素早く米友の着物を着換えてしまう。

お玉は米友が、わざと調戯っているのだと思っています。

「大事なものじゃねえのかい」

「およしなさいよ」

「それ、そこに」

「いやだね」

「そこに白いものが落ちてるじゃねえか」

白いものと言われて、お玉はハッと気がつきました。米友は調戯っているのでもなければ嫌味を言っているのでもない、またそういうことの言える人間でもないのであって、事実、お玉が着物を着換えようとしてそこへ取落したものがあったのです。

「アッ、これは」

事に紛れて今まですっかり忘れていたが、これは昨晩、備前屋の裏口で幽霊のような女から頼まれた手紙――金の方は包みかけて置きっぱなしで逃げて来たが、手紙だけは懐ろへ入れていたのを、この時までちっとも気がつかなかった。