Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
大湊は神代からの因縁のある古い古い船着であります。この小屋なども百年を数える古い建前であって、磯の香りや木の臭気でむしむしと鼻を撲つのでありました。
磯に沿うた崖と、小屋の支えになった乱杭の間の細道を歩かせられて、どうやら材木小屋の下を潜って深い穴蔵の中へ引張り込まれて行くように思われてきました。
お玉はここまで引張られて来ると、何とも言えないいやな気になってしまい、
「ああ怖い」
意地にも我慢にも、引かれて行く与兵衛の手を振り切って逃げ出したくなりました。
「どうした」
お玉は慄えながら、
「ずいぶん怖いところですねえ」
「こんなところでなければ人は隠せない」
与兵衛は、ずんずんとお玉の手を引いて行く。
お玉の怖いというのは、ただ場所柄が怖いというだけではなくて、なんだかしんしんといやな気持になってゆくのでありました。
「誰か後をついて来るような足音がします」
「そんなことがあるものか、さあここだ」
今、与兵衛の扉をあける音で気がつくと、パッと燈火の光、かなりに広い一間。
その中に朦朧として人が一人います。
十三
微かな燈火の光に朦朧として人が一人います。