Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「それにはまたそれだけの理窟があって、あの当座は、あんまりいどころを人に知られたくなかったのさ。その点は喧嘩両成敗として、御大も実は苦しみ抜いている、一度、見舞に行ってくれないか」

「上りますとも。上ってよければ今日にでもあがりますけれど、そんなわけだから遠慮をしていました」

「もう遠慮は御無用」

「神尾の御前のお怪我はどうですか」

「創は癒着するにはしたが、なにぶん、眉間の真中を牡丹餅大だけ刳り取られたのだから、その痕がありありと残って、まあ出来損ないの愛染明王といった形だ、とても、あの人相では、世間へ出る気にはなれないとあって、大将当分は引込んでいるはずだ」

「怖ろしいことでしたね。何しろ、あの時に釣瓶へ肉がパックリと喰付いた有様は、眼の前に物の祟りを見るようで、ゾッとしてしまいました」

「御大も、あの時のことを思い出すと癪にさわると見え、身ぶるいをして、憎いおしゃべり坊主! と口惜しがっている」

「全く、あの小坊主は変な坊主でした、うちの茂太郎の友達だと言って来たこともありましたが、怖いほど勘のいい――」

「全くあの時分の化物屋敷は、名実共に化物屋敷であったが、御大があの形相では、今後の化物ぶりが一層思い合わされるのだが、当分、田舎に引込んで此方へは出て来まい」