Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「うむ、それは誰だ」
「見慣れない旅のお方でございます、あの、お名前は百蔵さんとかおっしゃいました」
「うむ、がんりきか」
主膳は寝ながら、向き直って天井をながめ、ホッと息をつきました。
憎い奴、がんりきの百蔵。あのロクでなしが来なければ、こんなことはなかったのだ。ただ隠居のところから微酔い機嫌で出て来た分には、こんなにまではならなかったのだ。あいつが途中でいやに気を持たせてそそのかしたために、お吉のところで毒気が廻ってしまったのだ。それに心を乱されたのはこっちの落度といわばいえ、あのロクでなしが、わざわざこのところを突留めて出向いて来たのは、そもそもこの神尾を、何かのダシに遣おうとの魂胆でなければ何だ。癪にさわる小悪党め、憎むには足らない奴だが、見たくもない。主膳はこう思って、がんりきの百蔵という奴が癪にさわってたまらないから、
「会えない、当分会えないから帰れといってくれ」
主膳は、又六に向って、素気なくいいました。又六は、とりつく島がないから、
「はい」
といって、腰を浮かすだけです。
又六が帰ると、行燈を点して来た小坊主の面を、主膳はすごい眼をして睨みつけたから、小坊主が怯えました。