Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
雑司ヶ谷の鬼子母神の欅が、またかなりの大木だ。そのほか一本立ちならば随分あっちこっちに大木はあるにはある。いったい、関東でも、この辺の地味は欅にいいんだろう。そういえば上方へ行っちゃ、あんまり欅の大木というのを見たことがねえ……そりゃそうと、これからこの欅並木を通って府中の宿へ入り込むと、さて、どういうふうに当りをつけてみたものかな。いったい、おれがいろいろ考えてみると、お役人の力で軒別に家さがしをして、それでわからねえものが、おれがこうして、ぶらりと飛び込んでみて当りのつくはずもねえのだが、さて、いったん府中の町へ入り込んで逃げたとすればどこだ、どこをどっちへ行けばうまく逃げ果せるか。ここをこっちへ行けば逃げ損うということは、ちゃんとおれが心得ている、その心得で考えてみても、どうもこの悪者はまだ府中の宿を離れてはいねえと、こう睨んだのだ、つまり酒井様のお手のついた別嬪をつれ出した奴が、ほんとうにこの府中の町へ逃げ込んだものとすれば、そうして昨晩つかまらなかったのが本当だとすれば、これはまだてっきりこの府中の町のどこかに隠れている。隠れていて、ほとぼりの冷めた時分に、連れ出そうという寸法にきまっている。