Japanische Klassiker mit Furigana
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たいしゅうぶんげいさほう
大衆文芸作法
直木 三十五
Lesen Sie 大衆文芸作法 (たいしゅうぶんげいさほう) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.833 Zeichen · 126 Bildschirme
良いか。やるのだぞ」
「先生、私をここで、お殺しなすって下さいませ」
「うむ、お前が俺を殺さぬなら、俺は今にお前を殺してやる」
すると、小兵衛の顔は、月の中で俄に大胆不敵な相貌に変って来た。彼は師の後姿を見詰めながら、その背中に斬りつける機会を今か今かと狙い出した。と、二人は寝静った伏見の町へいつの間にか這入っていた。
小兵衛は急に気が抜けると、額の汗が口中へ流れて来た。瞬間、前を歩く五右衛門の後姿も、それと一緒にホッと吐息をついた。と見る間に、再び、師はひらりひらりと体を左右にかわし出した。「そら、乱心だ」小兵衛は心を取り戻そうとしたときに、不意にひやりと寒けがした。すると、彼の片腕は胴を放れて路の上に落ちていた。
「やられた」と思った彼は、一散に横へ飛び退くと、人形師の家の雨戸を蹴って庭の中へ馳け込んだ。が、続いて飛鳥のように馳けて来た五右衛門の太刀風が、小兵衛の耳を斬りつけた。と、彼は庭に並んだ人形の群れの中で、風のように暴れている五右衡門の姿をちらりと見た。
我田引水のように聞えるかもしれないが、敢て手前味噌を云えば、拙作「由比根元大殺記」(目下「週刊朝日」