Japanische Klassiker mit Furigana
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てんぐがいでん きられのせんた
天狗外伝 斬られの仙太
三好 十郎
Lesen Sie 天狗外伝 斬られの仙太 (てんぐがいでん きられのせんた) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.347 Zeichen · 243 Bildschirme
八万騎と申したのは昔のこと、少しでも骨のある旗本や徳川の役人は多分一万を出でまい。アハハ、無用だ。正に小義憤を断じ去って、病弊の根本処に向って大刀を振うの時だ。そう唸られるな。さ、急ごう!
加多 兵藤氏、私が早まったようだ。行こう!(と立去りかけて、この三人のやり取りを半ば解らないなりに固唾を呑んで見ていた仙太、段六、女房などをチョトと眼に入れ)暫く! よし、書いて取らすぞ。(筆を取上げて奉書に筆太に何か書く)
仙太 ありがとう存じまする。ありがとう存じ……。
加多 (筆をカラリと置き、ペタリと土に額を付けている仙太の肩を叩いて)一身の重きを悟れよ。義公御遺訓にもこれ有り、百姓は国の基だ。時機を待て。いいか、時機を待て! さらばだ。
二人足早やに左手奥へ去り行く。一番遅れた甚伍左が懐中に手を入れながら仕置場の方を見下ろしていたが、何を見出したのかホーと言ってジッと眼をこらして見ていた後、振向いて、
甚伍 ……お百姓、ええと確か真壁の仙太さんと言いましたね。仙太さん、今見ると、今日の御仕置の手の者は北条の喜平一家の者だ。たしか上林の弥造とか言った角刀上りの奴も居るようだが、何ですかい、あの連中、出役は今日だけのことかそれとも……?