Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いきにんぎょう

天狗笑い

豊島 与志雄

Lesen Sie 天狗笑い (いきにんぎょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.400 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

「望むならつれていってもいい」と老人は答えました。

「しかし帰りはお前一人だぞ。城の庭へおろしてくれといっても、わしは知らないが、それでもいいのか」

王子は少し心細くなってきましたが、それでも構わないと答えました。そして二人は向うの山の上へ行きました。もう、なんにも見えませんでした。薄黒い雲が足下に一面にひろがっていて、遠くの下の方で雷が鳴るような音がしていました。雲よりも高い山だったのでした。それでも、向うにはさらに高い山がつき立っていました。

「あの山へ行こう」と王子はいいました。

王子はただ高いところへあがって行くことよりほかには、なにも考えてはいませんでした。この老人に負けてなるものか、どんな高いところへでもあがってやる、という気でいっぱいになっていました。そして二、三度高い方の山へと、老人につれられてあがってゆきました。

ある山の上にくると、老人はそこにとんと杖をついていいました。

「お前の強情なのにはわしも呆れた。これが世界で一番高い山だ。もう世界中でこれより高いところはない。ここまでくればお前も本望だろう。これからまた下へおりて行くがいい。