Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いきにんぎょう

天狗笑い

豊島 与志雄

Lesen Sie 天狗笑い (いきにんぎょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.400 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

みんな胆をつぶして、腰を抜してしまいました。

鬼の人形の中から、猿は大きな声でいいました。

「貴様どもは悪い奴だ。甚兵衛さんの生人形を盗んだろう。あれをすぐここにだせ、だせば命は助けてやる。ださなければ八裂きにしてしまうぞ」

「はい、だします、だします」と盗賊どもは答えました。

やがて盗賊どもは、生人形を奥から持ってきましたが、首はぬけ手足はもぎれて、さんざんな姿になっていました。それも道理です。盗賊どもは人形を踊らして、金儲けをするつもりでしたが、中に猿がはいっていないんですから、人形は踊れようわけがありません。盗賊どもは腹を立てて、人形の首を引きぬき、手足をもぎ取って、本堂の隅っこに投げ捨てて置いたのです。それを見て猿は、鬼の人形の中からどなりつけました。

「不都合な奴だ。しかしおとなしく人形をだしたから、命だけは助けてやる。どこへなりといってしまえ。またこれから泥坊をすると許さんぞ」

盗賊どもは震えあがって、逃げうせてしまいました。

猿は鬼の中からでてきて、甚兵衛と二人で、壊れた人形を抱いて、非常に悲しみました。けれども、いくら悲しんでもいまさら仕方はありません。