Japanische Klassiker mit Furigana
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「ダブックウ」ひょうりゅうき
「太平洋漏水孔」漂流記
小栗 虫太郎
Lesen Sie 「太平洋漏水孔」漂流記 (「ダブックウ」ひょうりゅうき) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.264 Zeichen · 37 Bildschirme
そしてまず、“Dabukku”の島々について語りはじめた。
「ニューギニア土人は、その黒点のようにみえる島を穴と見誤った。海水が、ぐるりから中心にかけて、だんだんに低くなってゆく。それを、勾配のゆるやかな大漏斗のように考えた。つまり、その穴から海水が落ちる。そのため、こんな大きな渦巻ができると、いかにも奴等らしい観察が“Dabukk”の語原だよ」
「ふうむ、太平洋漏水孔か……」
「そうだ、案外渦の成因はそんなところかもしらんよ。ところで、なぜ『太平洋漏水孔』のなかへ踏み入ることができないか。
一九一二年に、当時の独逸ニューギニア会社の探険隊が、『太平洋漏水孔』へ入ろうとした。そのとき、はじめて魔海のおそろしさがハッキリと分ったのだ。それは、『太平洋漏水孔』の海面下が一面の暗礁で、小汽艇のようなものでも忽ち覆えってしまう。つまり、縦に突っきろうにも渦流にまかせようにも、重さと抵抗をもつ汽艇のようなものは駄目なんだ。ただ、どうかと思われるのが桁付き独木舟だ。
こいつは、目方も軽いし抵抗も少ない。ふわふわ渦にのってゆくうちに、どれかの島へゆけるだろう。と、マアその考えもそこまでは良いんだがね。