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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうふがさっかであるばあい

夫婦が作家である場合

宮本 百合子

Lesen Sie 夫婦が作家である場合 (ふうふがさっかであるばあい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.933 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

よほど以前のことになるが田村俊子氏の小説で、二人とも小説をかくことを仕事としている夫婦の生活があつかわれているものがあった。筋や、そのほかのことについてはもう思い出せないのであるが、今も焙きついた記憶となって私の心にのこっている一場面がある。何か夫婦の間の感情が気まずい或る日、妻である婦人作家が二階の机の前で小説が進まず苦心していると、良人である男の作家がのしのし上って来て、傍から、何だ! そんなことじゃ先が見えてる。僕なんか三十枚ぐらいのものなら一晩で書くぞという意味の厭がらせを云って、妻の作家の苦しい心持を抉るようにする。しかも、良人である作家は、その時もう創作が出来ないような生活の気分に陥っているのが実際の有様であったというようないきさつが、田村氏独特の脂のつよい筆致で描かれているのであった。

私は、その小説を読んだ時、二十前後であったと思うが、深刻な感銘をうけた。自分の女としての一生についても考え、いつかしらぼんやり感じていたことを改めてはっきり、自分は決して作家を良人には持つまいと心にきめたのであった。

それから後、又何程か経って、女の作家として私の持つその考えを更に内容的に多様化し確めるような一組の作家夫婦を見た。