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Japanische Klassiker mit Furigana

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かのうせいのぶんがく

夫婦善哉

織田 作之助

Lesen Sie 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.834 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

と、いうのは外でもない。何も廃刊させようと思って、あんな危い記事を書いたわけではないが、しかし、ひそかにお前の失脚を希う気持がなかったとは、言えなかったからだ。だから、廃刊になってみるとざまあ見ろと、おれは些か良い気持だったのだ。

何故、そんな気持を抱いたのか。今だからこそ白状するが、原因はお千鶴だ。と、こう言えば、お前はびっくりするだろうが、当時おれもまだ三十七歳、若かった、惚れていたのだ。

ところが、この博労町の金米糖屋の娘は余程馬鹿な娘で、相手もあろうにお前のものになってしまった。それも蓼食う虫が好いて、ひょんなまちがいからお前に惚れたとか言うのなら、まだしも、れいの美人投票で、あんたを一等にしてやるからというお前の甘言に、うかうか乗ってしまったのだ……と、判った時は、おれは随分口惜しかった。情けなかった。

あとからは知らず、最初お千鶴はお前になんか一寸も惚れていなかったのだ。その証拠に……と言うのは、ひどく理詰めな言い方だが、お千鶴はおれに惚れていたのだ。いや、少なくとも、おれはそううぬぼれていた。その眼付きが証拠だと信じていた。もっともお千鶴は美人は美人にしろ、一等には少し無理かと思えるほどの眇眼で、本当はおれの思いちがいだったかも知れないが、とにかくお前よりはおれの方が好かれていたことだけは