Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めおとぜんざい

夫婦善哉

織田 作之助

Lesen Sie 夫婦善哉 (めおとぜんざい) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.643 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

蝶子の肚はそろそろ、三度目のヤトナを考えていた。ある日、二階の窓から表の人通りを眺めていると、それが皆客に見えて、商売をしていないことがいかにも惜しかった。向い側の五六軒先にある果物屋が、赤や黄や緑の色が咲きこぼれていて、活気を見せた。客の出入りも多かった。果物屋はええ商売やとふと思うと、もういても立ってもいられず、柳吉が浄瑠璃の稽古から帰って来ると、早速「果物屋をやれへんか」柳吉は乗気にならなかった。いよいよ食うに困れば、梅田へ行って無心すれば良しと考えていたのだ。

ある日、どうやら梅田へ出掛けたらしかった。帰って来ての話に、無心したところ妹の聟が出て応待したが、話の分らぬ頑固者の上にけちんぼと来ていて、結局鐚一文も出さなかったとしきりに興奮した。そして「果物屋をやろうやないか」顔はにがりきっていた。

関東煮の諸道具を売り払った金で店を改造した。仕入れや何やかやで大分金が足らなかったので、衣裳や頭のものを質に入れ、なおおきんの所へ金を借りに行った。おきんは一時間ばかり柳吉の悪口を言ったが、結局「蝶子はん、あんたが可哀想やさかい」と百円貸してくれた。