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Japanische Klassiker mit Furigana

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きかいなはなし

奇怪な話

豊島 与志雄

Lesen Sie 奇怪な話 (きかいなはなし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.130 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

車にさしかかった時……。私は驚いて立止った。

みな一様にカーテンが引かれて、その一つ一つに数字が際立ってる、ひっそりしたなかに、丁度私の顔の真正面に、にゅっと、裸の足が一本つき出て、ゆらゆらと動いてるのである。それが、初めの驚きからさめた私の眼には、もう人体の一部とは映らなくて、何だか無生物的な、大根の切瑞か蝋細工かのように映った。

「もしもし……。」と私は云った。そして一呼吸の後、「もしもし、足がおっこちますよ。」

カーテンの向うに、はっとした気配がして、そしていきなり、すっと足が引込んだ。瞬間に、私はぞっとして、駆けぬけたのだった。

*

前述の人の足の一件は、後から考えると滑稽であるが、実際その時には、足が引込んだ瞬間、ぞっと無気味なものに襲われたのである。馬の足は垂れ下る時が恐いのであるが、人の足は引込んだ時が恐い。これは多分、後者が、独立した一の怪物でなくて、人体の一部をなしてるからであろう。

人体の一部は、それが人体から切り離されて、別個のものとなる時、初めて本当の不気味さを持つようになる。

たしか、正木博士の話だったと思うが――或る外科の病院で、不思議なことが起った。