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Japanische Klassiker mit Furigana

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きかいなはなし

奇怪な話

豊島 与志雄

Lesen Sie 奇怪な話 (きかいなはなし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.130 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

その病院の新米の看護婦が毎晩毎晩うなされる。うなされては、重い重い……と口走る。そこでいろいろ問いただされて、遂に告白した。

彼女は、病院に来て間もない頃、片足切断の手術に立会ったのである。ところが人間の足というものは、身体の一部分をなしてる時は、何でもないが、一旦切断されたとなると、如何にも重い。膝から下の切断の場合でも、馴れない看護婦などは、取落すことがままある。そのため、医者の方で、重いぞ、気をつけ給いと、よく注意してやる。右の看護婦も、その注意を受けた。そして覚悟はしていたものの、愈々患者の足が切断された時、その重みが、両手にずっしりとこたえた。

それ以来、切断された足先の重量が、両手にこびりついて離れない。夢の中にまで現われてくる。彼女は自分でくり返す、重い重い……。そして両手で懸命にその足先を支えながら、眼を覚すまでうなされ続けるのである。

これが、人体にくっついている足先だったら、如何に重かろうと、不気味な話にはなりようがない。布団の中から差出されてる寝相の悪い足先と、汽車の線路のそばに転ってる轢断された足先と、両方を見たことのある者は、這般の消息を解するだろう。