Japanische Klassiker mit Furigana
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きじゅつこうあんぎょう
奇術考案業
長谷川 伸
Lesen Sie 奇術考案業 (きじゅつこうあんぎょう) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.145 Zeichen · 9 Bildschirme
が、弥兵衛は冷笑した、自分をである。
「今となっては役に立たない。金庫は七所借りをして拵えても、肝腎の入れて置くものがない。ヘッヘッヘッ」
憫笑してその晩は睡ってしまった。
その後しばらくして、弥兵衛はくらしに手詰ってきた。貸す処はなし売る物はなし、口では大法螺を吹いて、今にみろ時節がくればなどと、女房をまず第一に、さも考えがある如く思わせて、質屋通いを卒業させた上、実家へ厭な無心をさせにやった頃、ぶらりと連れ出しに来たのは、これも投機師の、水の上の雲にのりかけている砂地省造という友達だった。
ちと遠出をして名うての旗亭で、砂地め何故か弥兵衛を馳走した。と、果せる哉。
「時にね――君は一度経験があることだが、ガラを食ったときの善後策だが、何かいい方法ってものはないかね」
こんなことだろうと思っていたとおりの相談をうけて、弥兵衛はにやりと笑った。
「それはあるさ。どうだい買うかいその方法を――ちと高いよ、千両だ。それから断っておくが、詐欺の手段を教えるのじゃない。僕は君の処世上もっとも便宜なる金庫を考案したから、その考案を君に売るのだ。勿論、考案を売るのだから他人には今後売らないよ」