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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.177 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

日本という国は、ボヘミアのドヴォルシャークや、フィンランドのシベリウスや、露西亜のムソルグスキーのような、本当の国民音楽家は、永久に現われないものだろうか、心ある人は歎きも悲しみもしておりました。当時の日本は軍艦の数や鉄砲の数ばかりを誇りとして、国民の血と肉とを盛った大芸術の出現しないことを、あまり淋しいとも思わなかったのです。

ところが、音楽界の長老で、日本の誇りといわれた天才左近倉平が今から三年ばかり前、続け様にこの二つの大曲を発表したのです。

「お江戸ファンタジー」の持つ華麗にして優艶な江戸情緒――それは歓楽極まって哀愁生ずるといった、まことに纏綿たるもので、その主題として採り用いられたのは、幾つかの江戸小唄と、江戸浄瑠璃でしたが、それが巧みに消化され、変形されて、現代人の胸に沁々と訴えるものがあり、さながら三百年の江戸の栄華と、その凄まじい興亡の跡を描き尽したかの感があると言われました。

「にっぽんシンフォニー」の方は、嘗ての御用作家達の日本を題材として作った作品のように、神がかり的な、誇大妄想的なものでは無く、素朴で謙虚で、そして限りなく美しくさえありました。