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Japanische Klassiker mit Furigana

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おくさんのいえで

奥さんの家出

国枝 史郎

Lesen Sie 奥さんの家出 (おくさんのいえで) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.851 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが私の奥さんですが、鳥渡用達しに行く時でも、それをやるのでございますよ。『コテン、さいさい、アッアッアッ』……無邪気で優しくて可いのですが。しかし何うも、しかし何うも……」

ここで私は憂鬱になった。

「兎にも角にも家出です。重大問題じゃァありませんか。冗談事じゃァありませんよ。だのに奥さんはそんな時にも、それをやって家を出て行ったので『コテン、さいさい、アッアッアッ』……考えざるを得ませんなあ。」

かかわりの無いのは水鳥であった。

水禽小屋の鵞鳥輩であった。

ガッ、ガッ、ガッ! 啼いていやがる。

と、その中の一羽であるが、その長い頸を湾曲させ、嘴を水へ突っ込んだ。ブルブルブル! 振ったのである。その長い頸を振ったのである。水が飛んだのは云う迄も無い。と、首をヌッと上げ、ガーッ、ガーッ! 啼き出した。

と、もう一つが臆面もなく、その長い頸を湾曲させ、嘴を水へ突っ込んだ。同じように水を飛ばせたかと思うと、ヌッと首を高く上げ、ガーッ、ガーッ! 啼き出した。

こんな鈍感な獣ってないよ。

斜に日光が射し込んでいる。池から陽炎が立っている。

それを見ている私達であった。