Japanische Klassiker mit Furigana
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にょせん
女仙
田中 貢太郎
Lesen Sie 女仙 (にょせん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.253 Zeichen · 3 Bildschirme
市ヶ谷の自証院の惣墓の中に、西応従徳と云う法名を彫った墓がある。それは西応房と云う道心坊主の墓で、墓の主の西応房は、素養などはすこしもなかったが、殊勝な念仏行者で、生涯人の悪を云わず、他人の罪を被せられても弁解せず、それで咎められる事でもあるとあやまり入り、それが後になって明白になっても、別に喜びもしないで、そうであったかなあと云ってすましていた。往生したのは天保十一年×月十三日で、其の前日の十二日には弥陀如来の来迎を拝したと云われている。
其の西応房は尾州中島郡一の宮の生れであったが、猟が非常に好きで、そのために飛騨の国へ往って猟師を渡世にしていた。
某時木曾の御岳の麓へ往って、山の中で一夜を明し、朝の帰り猪を打つつもりで、待ち受けていると、前方の篠竹がざわざわ揺れだした。西応房の猟師は、さては猪か熊か、とにかく獲物ござんなれと、猟銃を持ちなおして獲物の出て来るのを待っていた。と出て来たのは十六七の綺麗な少女であった。おや人間であったか、それにしてもこんな深山の夜明けに、少女などが平気で来られるものでない。これはどうしても変化の者に相違ない。