Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こうじんぶつ

好人物

佐々木 邦

Lesen Sie 好人物 (こうじんぶつ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.609 Zeichen · 107 Bildschirme

Aozora Bunko

「然うして戴けば好都合ですわ。越後屋の方へは何とか巧く申して置きますから」

「郷里から小作米が来たとでも言うさ」

「田地がおありですからね。オホヽヽ」

と安子夫人はもう御機嫌が直った。米を二俵無条件で貰えば上等の半襟が五六本買える。考えて見ると詰まらないのは千吉君で、

「只の積りの謡曲が案外高くつく。橋口君は何うも口が巧くていけない」

と呟いた。

「その代りに犬を二匹貰って戴けるじゃありませんか?」

「ところが犬は頭から断られて来た」

「まあ」

「七匹生れたことを話して一匹貰ってくれまいかと頼むと、橋口君は、さあ、と首を縦に振りかけたが、奥さんが洒々り出て、犬は嫌いだと言うんだ。猫なら好きですから何匹でも戴きます、だとさ。出来ない相談だから仕方がない。美事撃退されてしまった。俺は駄目だよ。勧められることは上手だが、勧めることは赤っ下手だからね」

「まあ、何て憎らしい奥さんでしょう? 猿虎蛇の謡曲で沢山なのにお里のお米の押売りまでして、此方の犬は一匹も貰って下さらない。余りですわね。何か私に遺恨でもあるのでしょうか? 宜いわ。私近所界隈の猫を貰い集めて五六匹持って行って上げるわ」