Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
正月の三日に山下さんは次席の斎藤さんのところへ年賀に行った。極く打ち解けた間柄で、家庭同志も往来している。その折客間へ通ったら、モーニング姿でかしこまっている青年紳士に直面した。斎藤さんは挨拶を済ませると直ぐに、
「山下君、これは、長船三郎君といって、○○高等学校の先生です」
と紹介した。
「私は山下と申します」
「課長ですよ。私の方の」
と斎藤さんがつけ足した。
「はゝあ」
とモーニングの先客は両手をついて這いつくばった。
「○○高等学校というと私立ですか?」
と山下さんは官私の別が直ぐに気になる。
「公立でございます」
「近頃出来たのですな?」
「はあ」
「長船君は帝大を二度卒業している秀才ですよ」
と斎藤さんが推賞した。
「はゝあ」
「文学士法学士です。長船君、山下さんも法科ですよ」
「これは/\。後輩として何うぞ特にお見知り置きを願い上げます」
と長船君は又平伏した。
「高等学校は何処でした?」
「一高でございます」
「はゝあ。これも私が先輩です」
と山下さんが言った時、奥さんが現れた。
「旧年中は種々とお世話になりまして……」
と婦人特有の長々しい挨拶が始まる。青年紳士はその終るのを待っていて、