Japanische Klassiker mit Furigana
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こども・こども・こどものモスクワ
子供・子供・子供のモスクワ
宮本 百合子
Lesen Sie 子供・子供・子供のモスクワ (こども・こども・こどものモスクワ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.440 Zeichen · 33 Bildschirme
オデッサの港には砂糖の山があるって。
――ほらね! そうして「五ヵ年計画を四年で」やりとげるのさ。ここんところ少しひもじい目も堪えとけば、あとでよくなる。
皿洗女は、真面目なようなふざけたようなまたたきをして、首をふった。彼女は臨時雇いである。五十七ルーブリ貰っている。
――本雇いにして貰えばいいのに。
――事務所で室女中にしてくれるかもしれないって云ってたが、どうなるか。
――どこでも今人が足りなくて騒いでるじゃないの、集団農場や国営農場へとられちゃって。職業紹介所は空っぽですよ。
――事務員は払底しているんです。
ニッケル大湯沸のクランクからバケツへ熱湯を注ぎながら皿洗女は云った。
――臨時でもなんでも、こうして働ければ結構ですさ。働いていりゃ並木通りあるきをしないですむから……ねえ。
そのほか、
並木通りにはティモフェー・ティモフェーヴィッチという熊をつれた大道芸人がいた。
三枚八十カペイキ、三十分の早とり写真屋。菩提樹の茂った樹かげに立てたペンキ画の背景の前の椅子で、赤い布をかぶった女が格子縞のスカートの皺をひっぱっている。
並木通り風景を眺めて昼間のベンチにいるのは9/10までいろんな髪と目の色をした女、及び籐の乳母車だった。