Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、うるさい程、「吉ちゃんは秀ちゃんが好きだよ。本当に好きだよ。秀ちゃんも吉ちゃんが好きだろう」と、いつもいつも申しました。

今まででも、左側の吉ちゃんの手や足が、右側の秀ちゃんの身体に触ることは沢山ありましたが、同じ触るのでも、違った触り方をする様になりました。ゴツゴツと触るのではありませんが、虫が這っている様に、ソッと撫でたり、掴んだりいたします。それですけれども、そこの所が熱くなって、トントンと血の音が分るのです。

秀ちゃんは、夜びっくりして、眼をさますことがあります。暖い生きものが、身体中を這い廻っている様な気持がして、ゾッとして眼を醒すのです。夜はまっ暗で分りませんから、「吉ちゃん起きていたの」と聞きますと、吉ちゃんは、じっとしてしまって、返事もいたしません。左側に寝ている吉ちゃんの、いきや血の音が、肉を伝って、秀ちゃんの身体に響いてくるばかりです。

ある晩、寝ている時、吉ちゃんがひどいことをいたしました。秀ちゃんは、それから、吉ちゃんが嫌いで嫌いで仕様がない様になりました。殺してしまい度い位嫌いになりました。

秀ちゃんは、その時寝ていていきがつまり相になって、死んでしまうのではないかと思って、びっくりして眼を醒しました。